【読書録】「お金2.0」を読みました。
史上最強の哲学入門(東洋の哲人たち) - 飲茶 -という本に、こんなお話があります。
西洋哲学は「階段」
根源的な問いについて、「ホントウのこと(真理)」を答えられる西洋哲学者は誰ひとりとして存在しない。真理に対してみな一様に「無知」である。(中略)そして、その情熱の赴くまま、人生のすべてを費やし、考えて考えて考え尽くすのだ。そうした思索の結果、できあがったものが「西洋哲学」である。
東洋哲学は「ピラミッド」
一方、東洋哲学は、そうした西洋哲学の営みとは根本的に異なる。そもそも、東洋哲学者たちは「無知」を前提にしない。それどころか、彼らは臆面もなくこう宣言する。
「我は真理を知り得たり。悟った。究極に達した」
これを読んだときに、とてもしっくりきました。ああ、だから東洋哲学は理解しにくいのかと。
「お金2.0」はそんな雰囲気の理解しにくさがありました。(ごめんなさい)
重要な要素を取り上げる感覚が素晴らしいけど、全体像を描くことが私のような凡人には難しかった・・・もしくは知識が足りなかった・・・。
なので、内容の要約というか、読んだうえで自分なりの形で落とし込もうと思います。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
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『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 (著:佐藤航陽氏)(出版:幻冬舎)
【目標】
お金を”ツール”として深く理解することで、”新しい経済”をうまく乗りこなす
【前提】3つの要素が未来の方向性を決める
①感情(欲求) ②経済(活動を回す仕組み) ③テクノロジー
これらが併存し相互に影響しあう
この「相互に影響しあう」複雑さを、竹中平蔵氏は「世の中は連立方程式のようなものだ」と表現した。
本書P.22~27
・①感情(欲求)について
1)本能的欲求(生きるために求める=体の欲求)
2)承認欲求(社会に認められたい=心の欲求)
3)成長欲求(自己実現)
これらはたぶんどんな時もどんな人も変わらず持っている欲求。
程度の差はあれど。
欲求を共通して持った人間たちが主役の世界で、ヒトとモノを繋げる仕組みを作った。
・②経済(活動を回す仕組み)について
現在の「資本主義経済」という仕組みが適用される枠組み内では、
「欲求に対して対象の持つ意味=「価値」の数値化・可視化の手段」のひとつとして「お金」を使っている。
あくまで、決められた枠内での「ひとつの手段」に過ぎない。
~イメージの世界~
欲求を満たすこと=目的地に到達することだとする。
おなかがすいたので、食欲を満たしたい。「食欲が満たされる地」に行くためには、蒸気機関車に乗っていかないといけない、この世界ではそう決まっているから。蒸気機関車の燃料である石炭は自分で掘って手に入れる。石炭がたくさんあるほど遠くの地に行って欲求を満たせるし、みんながうらやましがる。いいなあ、石炭をたくさんもっているからどこへでも行けるんだね。そう、いいでしょ。もっと石炭が欲しいなあ。
【変化】仕組みの変化:中央集権化→分散化へ
・従来:「資本主義」という決められた「枠組み」のなかでの競争
↓ テクノロジーの影響:分散化、”価値”の数値化
・現在:「新しい経済システム」がいくつも作られつつある
自律分散の仕組みを誰でも安価に構築できるようになっている。
→テクノロジーによって経済は”作る”対象になった。
→どのように経済圏を作って回していくかというノウハウが重要。
”持続的・自発的に発展する”経済システムの要素5つ
①インセンティブ(報酬、欲求を満たせるメリットがあること)が明確
②リアルタイムに変化する
③不確実性がある(運と実力両方の要素がある)
④ヒエラルキーの可視化(指標の役割を担う)
⑤参加者のコミュニケーション(共同体としての認識)
+
追加①システムに寿命があることを認識する
追加②共同幻想(参加者が同じ思想や価値観を共有している)
本書P.50~60 参照
~イメージ~
「食欲が満たされる地」に行くためには、車という機械が新しくできたらしいよ。
何が原動力?へえ、ガソリン?じゃあガソリンを手に入れないとなあ。
ロケットも新しくできたの?じゃあもっと遠くまで行けそうだね。おもしろそう。
どの手段でどこに行こうかなあ。
あんなにたくさん集めた石炭は、どうしようかなあ。
【これから】
経済は、選べばいい。
何に価値を感じて、どんな資産を蓄え、どんな経済システムの中で生きていくのかも自分で選んで自分で決められるようになっていく。その過程に今ある。
個人が自分に最も適した経済を選んでいくという「選択」があるだけ。
誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、
それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどん上がっていくことになります。
マズローの五段階欲求でいえば、最上級の自己実現の欲求のさらにその先の欲求、社会全体の自己実現を助けたいという利他的な欲求が生まれてきます。
内面的な「価値」に着目せよ。儲かることから情熱を向けられることへ
熱量が情報として伝搬しやすい環境ができあがっています。
本書P.188~232 一部抜粋
本書を読んでの感想。
欲求も自由だけど、ついに経済も自由に選べる時代。
手段の多様性を生むテクノロジーの進化が目まぐるしい今、それは当然の未来としてやってくるように思う。
新しいものが生まれる。それは既存のものの価値が脅かされる。
推し進める力と相反する力も発生しながら、しかし前に進むことは止められない。
進化の中でいかに情報を使って自ら判断し、行動するか。
行動が自らの価値を高めるだろう。
ということで、2018年の目標は”行動”です。
どうしても内側にひきこもりがちのあたまでっかちになりがちなので。(韻)
たぶん世界は思っている以上に不完全で、正しいと思っていることも現時点では正しくても何年後か研究を重ねたら間違っていることもある。
物事の大小にかかわらず、やってみてデータが集まらないと良いか悪いかもわからない。
むしろ良いか悪いかは人によって異なるかもしれない。コミュニティで共通の思想をシェアしているというのは結構大切で、結構難しい。
かもしれない、わからない、難しいなら、とりあえずやってみる。
平成30年。あけましておめでとうございます。