【読書録】ブランド人になれ!をメンタルが弱っているときに読んだ。
最近こころが弱っている。
生きているといろいろあるからね。
活力がみなぎる時期もあるし、こころを守るのに徹したい時期もある。
私は自分を偽らずに、そのときしたいようにすることを心掛けている。
心掛けてるっていうか、頑張れんもんは頑張れんし。
守ってるときは守る以外何もしないので、付き合いも悪いし機会を逃す。
まあでもそれはしょうがない。
みなぎっているときにいろいろあって、田端信太郎さんについて知る必要があった。
しかし私は田端信太郎さんを知らない。
本を読んで趣旨を理解しよう。発注した。
なかなか入荷せずそうこうしているうちに閉じこもり期に入ってしまった。残念。
そんな状態での読書録。
ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book) 田端 信太郎 幻冬舎 2018-07-06 売り上げランキング : 2749
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・どんな人におすすめ?
⇒田端さんが好きなひと、うつうつとした会社員をやっているひと。
エピソードの記載が多少あるので好きなひとにはありがたい。
会社員という立場をどう利用できるかなどヒントが得られる。
・田端さんがどういう人物かわかった?
⇒戦国時代や三国志がお好き。あと名言はメモってストックしておくタイプ。
「お客様を喜ばせる(P.20)」「ドSになるのだ。Sはサービス精神のSだ。(P.24)」から、意外と古風で実直なひとだと思った。
ただ、正直「それ自分のエピソードじゃないよね?知り合いの有名人の話だよね?」も多い。私が興味あるのは、あなたが何を感じ、何を考え、どう行動したかだ。
・ひとことでまとめると?
⇒とにかく行動せよ。量をこなせ。熱くあれ。
*
今の時代ってSNSでいろんな情報が流れてくる。
カバーを剥いだ下にいる田端さんも、「パンツを脱げ!」も、内容も、
twitterでみたやつや~と思ってしまって衝撃とか新発見感がなくなっていけない。
ある意味それくらいSNSで話題になっている著書ともいえる。
この手の本って、内容どうこうよりも結果として行動に移すことができれば価値があると思う。内容はだいたい「行動しろ」だし。
そしてきっと、著者のことが好きだと言葉がぐぐっと響いて熱量に変換されるよね。
また元気になったら読む。
以下本書の情報と目次の引用。
ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)– 2018/7/6
【医療事故】抗がん剤テモダールを39日連続投与され死亡
悲しいことが起きた。
起きてはならないことが起きた。
骨折で入院した患者さん。
他院で脳腫瘍の治療を受けており、持参薬に抗がん剤『テモダール』が含まれていた。
入院した病院の整形外科の医師が入院期間中服用する分のテモダールをなんの薬かわからないまま処方。薬剤師も注意が必要だとはわかっていたがスルーして調剤。
過量投与となり白血球減少、多臓器不全となり死亡。
*
■なんの薬かわからないまま調剤する薬剤師怖い
たしかに関わったことのない薬は名前見ただけじゃわからないかもしれない。
でも詳しく知らないなら、詳しく知ってから調剤するんだよ。
薬剤師は最後の砦だからね。
まずなんの薬かわかった時点で、抗がん剤とわかった時点で、その治療している主治医に確認取らなきゃと思うんじゃなかろうか。
あ、じゃあ入院期間中の抗がん剤も整形外科の先生に代わりに出しておいてもらいましょうねーとはならないんじゃ。
そのまま続けていいかなんて専門の主治医にしかわからない。
用法用量も確認するよね。
テモダールの用法に限って見ると、
初発の場合:①放射線照射と併用にて1日1回42日間経口投与→4週休薬
②その後、テモダール単独で1日1回連日5日間経口投与し、23日間休薬する。この28日間を1クールとする。
再発の場合:テモダールを1日1回連日5日間経口投与し、23日間休薬する。この28日間を1クールとする。
添付文書には用法用量に関連する使用上の注意もずらりと書かれている。
どれくらいの頻度で検査をして、好中球数や血小板数を見て基準を満たしているか確認して、用量や継続の判断をするようにと。
放射線照射してないと5日間より多い連続投与という使い方はしない。
用法が違っていたら見逃してはいけない。というかやっぱり正しい用法で処方されていたからといってそのまま通していい薬ではないと思う。
テモダールは毒薬。保管場所が違うからそれは気づくじゃん。
毒薬って、ちゃんと診れる医師のもとで使ってねってものじゃん。気づくじゃん。
やっぱり主治医に確認とろうと思うじゃん。
実際病院での詳しいことはわからないから、責め立てる資格はないのかもしれないけど。
おかしいと気づくきっかけはたくさんあったんじゃないかと思ってしまう。
残念でならない。
■なんの薬かわからないまま処方する医師怖い
一部の薬を除いて、医師はなんでも処方できちゃう。全然専門じゃない分野の薬も。これってすごい。
他の病院で飲んでたのね、じゃあそれも出しとくね。って。
処方するからには、責任もって診れないといけない。診られないなら専門の主治医に処方してもらうべき。
特に今回のような十分な経験・知識のある医師のもとで使うべき抗がん剤を、そうでない医師が処方できてしまうのは問題だ。
*
加えて、患者さんやそのご親族は薬のことどれくらい把握していたのかも気になるところ。
*
普段扱っている薬というものが命にかかわるものであると、改めて悲しいほど思い知らされた。
自分も関係ないと思ってはいけない。業務を怠ってはいけない。多忙のせいにしておろそかにしてはいけない。
もしくは、多忙でも誤らないような仕組みを作らないといけない。
当該病院も、医療関係者も重く受け止めるべき過誤だ。
患者さんご家族にはお悔やみ申し上げます。
最後にテモダールの添付文書を一部引用。
警告
1.
本剤による治療は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
3.
本剤の投与後にニューモシスチス肺炎が発生することがあるため、適切な措置の実施を考慮すること(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」及び【臨床成績】の項参照)。
禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤又はダカルバジンに対し過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
悪性神経膠腫
用法及び用量
1. 初発の場合
放射線照射との併用にて、通常、成人ではテモゾロミドとして1回75mg/m2(体表面積)を1日1回連日42日間、経口投与し、4週間休薬する。
その後、本剤単独にて、テモゾロミドとして1回150mg/m2を1日1回連日5日間、経口投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールでは1回200mg/m2に増量することができる。
2. 再発の場合
通常、成人ではテモゾロミドとして1回150mg/m2(体表面積)を1日1回連日5日間、経口投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールで1回200mg/m2に増量することができる。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1. 一般的注意
2. 初発の場合
放射線照射との併用時
(1)
本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
1)
好中球数が1,500/mm3以上
2)
血小板数が100,000/mm3以上
(2)
少なくとも週1回の頻度で血液検査を実施し、本剤継続の可否を判断すること。以下の副作用発現時は投与量の増減を行わず、下記の基準に基づき休薬又は中止すること。
(3)
放射線照射の中断により放射線治療期間が延長した場合、(2)の継続基準の条件を満たしたときに限り、42日間連日経口投与を最長49日まで延長することができる。
放射線照射後の単剤投与時
(1)
本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
1)
好中球数が1,500/mm3以上
2)
血小板数が100,000/mm3以上
(2)
第1クールの期間中、次の条件をすべて満たした場合に限り、第2クールで投与量を200mg/m2/日に増量すること。なお、第2クール開始時に増量できなかった場合、それ以後のクールでは増量しないこと。
1)
好中球数の最低値が1,500/mm3以上
2)
血小板数の最低値が100,000/mm3以上
3)
脱毛、悪心、嘔吐を除く非血液学的な副作用の程度がGrade 2(中等度)以下
(3)
各クールの期間中、血液検査を適切な時期に実施し、好中球数及び血小板数の最低値に基づいて次クールでの用量調整の必要性について判断すること。なお、好中球数及び血小板数が最低値に達するのは本剤投与後22日以降と比較的遅いことが知られている。また、各クールの開始にあたっては、適切な時期に血液検査を実施し、好中球数が1,500/mm3以上、血小板数が100,000/mm3以上になるまで投与を開始しないこと。
(4)
各クール開始にあたっては、直前のクールにおいて次の場合には本剤を50mg/m2減量とすること。
1)
好中球数の最低値が1,000/mm3未満
2)
血小板数の最低値が50,000/mm3未満
3)
脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 3の非血液学的な副作用が出現した場合
(5)
次の場合は本剤の投与を中止すること。
1)
脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 4の非血液学的な副作用が出現した場合
2)
100mg/m2/日未満に減量が必要となった場合
3)
脱毛、悪心、嘔吐を除く、減量後に直前のクールと同じGrade 3の非血液学的な副作用が再度出現した場合
3. 再発の場合
(1)
本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
1)
好中球数が1,500/mm3以上
2)
血小板数が100,000/mm3以上
(2)
第1クール以後、次の条件をすべて満たした場合に限り、次クールの投与量を200mg/m2/日に増量することができる。
1)
好中球数の最低値が1,500/mm3以上
2)
血小板数の最低値が100,000/mm3以上
(3)
各クールの期間中、血液検査を適切な時期に実施し、好中球数及び血小板数の最低値に基づいて次クールでの用量調整の必要性について判断すること。なお、好中球数及び血小板数が最低値に達するのは本剤投与後22日以降と比較的遅いことが知られている。また、各クールの開始にあたっては、適切な時期に血液検査を実施し、好中球数が1,500/mm3以上、血小板数が100,000/mm3以上になるまで投与を開始しないこと。
(4)
各クール開始にあたっては、直前のクールにおいて次の場合には本剤を50mg/m2減量とすること。
1)
好中球数の最低値が1,000/mm3未満
2)
血小板数の最低値が50,000/mm3未満
3)
脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 3の非血液学的な副作用が出現した場合
(5)
100mg/m2/日未満に減量が必要となった場合は本剤の投与を中止すること。
【雑記】蜂窩織炎(ほうかしきえん)で入院した。
・急変(検査だぶりすぎ問題)
その日はたまたまお休みで、都内の友人宅に遊びに行く予定だった。
電車で左足のくるぶしが赤く腫れていることに気が付いた。
くじいた覚えもなく、歩き方が悪くて負荷がかかったのかなと軽く考えた。
歩いているうちに痛みが増してきて、早めに帰って整形外科を受診しようと思った。
友人宅に着いたものの、今度はインフルエンザの時のような関節痛と悪寒に襲われ、いよいよ何かよくないことが起きているぞとわかり始めた。
頼りになる友人たちが近くの整形外科を調べてくれて、H病院にタクシーで向かう。
検温、血圧測定、採血、レントゲン撮影をすることになる。
体温は38度を超え、水分をとっていなかったせいか初めて採血直後に具合が悪くなった。手の筋肉が硬直するような、なんだかあんまり覚えていない。
低血圧だか貧血だかと言っていた。血圧はもともと低くいつも80/50くらいだけど、いくつだったんだろう。
落ち着かせるためアタピー注射。
レントゲンを撮るが、骨に異常はない様子。
しかしだんだん熱が上がり、40度を超えた時点で内科医が不在のためここでは対応できないと言われた。
近くのS病院に救急車で運ばれる。たった5分程度の移動なのに申し訳ない・・・
救急の医師がいろいろな可能性を検討して調べてくれた。
本日2回目の採血、レントゲン撮影。血液培養用の血もたくさん提供した。
化膿性関節炎といって膿が関節まで入っていると関節が破壊されてしまい危険だと聞かされる。
ええ・・・関節が破壊??切断かしら??そのフレーズの破壊力に泣いてしまった(笑)
しかしくるぶしから18G(適当)ほどの針をさして、注射器で関節液をとると、
「クリアだね」
いえーーーーーーーい!!
よかった膿んでないから破壊はされないようだ、ほんとよかった・・・!!
蜂窩織炎と診断され、今日は足を固定し退院して明日から通院するよう言われたが、自宅から通院することが困難だったため紹介状を書いていただいて帰宅した。
*蜂窩織炎とは
皮膚および皮下組織の急性細菌感染で、最も頻度の高い病原菌はレンサ球菌とブドウ球菌である。症状と徴候は、疼痛、急速に拡大する紅斑、および浮腫である;発熱や所属リンパ節腫脹が生じることもある。診断は病変の外観による;培養が有用となりうるが、その結果を待つために経験的治療を遅らせてはならない。治療は抗菌薬による。時機を逸することなく治療すれば、予後は極めて良好である。
・入院(時間をいかにつぶすか問題)
次の日、地元のC病院の皮膚科と整形外科を受診。
またまた採血、レントゲン撮影。1日たってるから採血はいいとしてもレントゲンはもういいでしょ・・・!!データもらって・・・!!
皮膚科の医師から即入院するよう告げられる。てっきり通院かと!
痛くて歩けなかったのでありがたく入院することにした。内服抗菌薬より点滴のほうがなんとなく効きそうだしね。
そしてまた血液培養の採血。もーね、腕あなだらけですわ。データもらって・・・!!
治療は
・抗菌薬の点滴(第一世代セフェムを1日3回8時間ごと)
・患部の冷却
・患部の挙上
移動は車いす。シャワーの制限なし。食事制限なし。患部の挙上が地味にストレスで、基本的にベッドで横になってないといけない。
熱は2,3日ですぐに下がり、足以外は元気。
時間をいかにつぶすかが課題になってくる。
読書が最適だろうと落合陽一氏の『魔法の世紀』を持ち込んだものの、
入院中って、ぜんっぜん頭使いたくないのね。
難しいこととか全然考えたくないし、
世の中とかほんとどーでもよくなっちゃう。隔離されてるからかな。
秒であきらめて、小説と漫画に切り替える。
ボランティアの方々が移動図書を運営していて、週1回病室を回って漫画の貸し出しをしてくれた。
コミックシーモアをお試しで会員登録したり、LINEマンガもおすすめ。笑
永久指名おねがいします! 1 (スフレコミックス) カナエサト ジュリアンパブリッシング 2014-11-07 売り上げランキング : 21195
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宇宙兄弟(1) (モーニング KC) 小山 宙哉 講談社 2008-03-21 売り上げランキング : 58018
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ソムリエール 1 (ヤングジャンプコミックス BJ) 城 アラキ 集英社 2007-03-19 売り上げランキング : 201475
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神の雫(1) (モーニング KC) オキモト・シュウ 講談社 2005-03-23 売り上げランキング : 70740
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失恋ショコラティエ 1 (フラワーコミックスアルファ) 水城 せとな 小学館 2009-01-09 売り上げランキング : 103543
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ソムリエールめざしちゃおっかなでもワイン奥深すぎてむりだわとか、
宇宙に関わる人の心意気やばくて泣けるとか、
ショコラティエ・・・は目指したいとは思わなかったけど・・・
充実しました。
そもそもWi-Fiが使えたら文句ない。病棟って使えるものだと思ってた。
今度があるなら、ないことを願うけど、Wi-Fiルーターは用意しておく。
2週間入院して、ぱんぱんだった足が人間の足に戻ってきた。しかしくるぶしの腫れがしぶとくて、これがよくならないと仕事復帰の許可はできないといわれた。立ち仕事だと特に。
どうせ仕事復帰ができないなら入院でも自宅療養でもどっちでもよかったが、Wi-Fiが使えないことと点滴の針がずっと腕についてることと病院食が味薄い&白米多いことと同じ病室の人がずっと病院の文句を言っていることが嫌で。
自宅療養を希望して退院した。
退院してからはHuluでウォーキング・デッドを観て充実した時間を過ごした。
1週間でシーズン7の1話まで観た。ここでつらく悲しいことがあったので観るのをやめた。笑
そして外来受診で血液検査の結果CRPが基準値まで下がったので内服抗菌薬は終了、様子を見ながら歩いてよいと許可がでた。
歩き始めはしびれるような違和感があったりむくみがすごかったけど、悪化する様子はなくだんだん色味も赤紫から肌色に戻ってきた。日焼けしないように気を付ける。
・まとめ
*くつずれの傷を甘く見てはいけない
*蜂窩織炎で歩けるようになるまで3週間安静にした
*医療機関にはレントゲン含めた情報共有をして検査減らしてほしい
*入院中は頭つかわないもので充実させる。漫画最高
*お世話になったみなさんありがとう
【読書録】世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
健康の中でも特に、食事に関するもっともらしい情報を得るのは難しい。
みんなに身近な情報で注目度が高く、でっちあげてもあんまり責められない。
注目されたら関連商品が売れて、そんなかんじで経済が回っていく・・・
信じるものもわからない、そんな世の中だから。
こちらの本を読んだ。
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 津川 友介 東洋経済新報社 2018-04-13 売り上げランキング : 173
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健康な食事が理解できるのと、怪しい情報にだまされずに信頼できる情報を入手することが学べる本だ。
おすすめ。
『はじめに』より
人間は食べたものでできている。何を食べ、何を食べないかはすべての人が日々実行している小さな「選択」である。
しかし、毎日の小さな選択は、確実にあなたを病気から遠ざけたり、近づけたりしている。その自覚はあるだろうか。(本書P.1-2)
知ったうえでどうするかは自由だ。お寿司は美味しいし、和牛と雲丹のお重が嫌なことを吹き飛ばす瞬間もある(個人的体験)。
でも知っていれば無意識に小さな選択を積み上げることはないかもしれない。
美味しいもの食べるぞって時だけちょっとリスクのあるものをとるという選択もできるし、
いわれてみればソーセージはそこまで食べたくないかもしれない。
白米を食べなくても意外とおなかはすかないかもしれない。
無意識の選択の積み重ねによってあとで後悔しないように、本書でシンプルに基本の判断材料を押さえて、食事を楽しめたらいいと思う。
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内容について。
健康に良いかどうかで5つのグループに分けて考える。
ここでいう健康とは、病気になるリスクや死亡率のことを意味している。
グループ1:健康に良いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品
①魚
②野菜と果物
③茶色い(精製されていない)炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ
グループ5:健康に悪いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品
①赤い(豚、牛)肉と、加工肉
②白い(精製された)炭水化物(じゃがいもを含む)
③バターなどの飽和脂肪酸
(本書P.32 表1-1 参照)
それぞれについてエビデンスを示して解説している。
合わせて、ちまたでよく聞く情報についてもエビデンスを示して解説している。
そして最後に。
これから怪しい情報に惑わされないように、インターネットを使って正しい情報を得る方法も記載されている。
*
世の中の情報は、必ずしもあなたの健康のことを本気で考えているとは限らないことが多い。
炎上とか、真新しさとか、注目されたり売れたりすることが目的である情報も多い。
だから、惑わされずに自分のことは自分で守らないといけない。
本書も、鵜呑みにせずにP.172~の引用元をたどって、自分で判断したほうがいいのかもしれないよ。
【薬局の疑問】腎不全患者さんの人工透析(特に血液透析)ってなにをするの?後編
前回の記事が長くなってしまい、途中で力尽きた。
もうちょっと書いておきたいことがあるので、後編。
◆透析患者さんの薬(臨時処方こそ注意)
❏風邪薬
むやみに抗菌薬やNSAIDsは処方されない印象。
PL配合顆粒は減量規定がなく使いやすい。
❏抗菌薬・抗ウイルス薬
用量や服用感覚が腎機能正常者と異なるものが多いので注意が必要。
添付文書等で確認すること。
例を挙げる。
・セフカペンピボキシル(フロモックス®)
100㎎分1、透析日は透析後投与
・アモキシシリン(サワシリン®/パセトシン®)
1回250㎎~500㎎を24時間ごと、透析日は透析後投与
1回200㎎を1日1回(透析性なし)
・レボフロキサシン(クラビット®)
初日500㎎を1日1回、3日目以降250㎎を2日に1回投与する
・バラシクロビル(バルトレックス®)
帯状疱疹・単純疱疹で250㎎を24時間ごと、透析日は透析後に投与
❏鎮痛剤
NSAIDsはそろって腎障害があるので、なるべく使わない。
アセトアミノフェンで抑えられればいいけれど、痛み止めとしては少し心もとない。
他に代わりもないので、最小限の範囲で使用する。また無尿だともはや腎障害は問題になりにくい。
使用する場合は、減量はせず通常量で使用する。
300㎎(解熱)~600㎎(鎮痛)を毎食後または8時間ごと投与。
単回頓服は300㎎~1000㎎、8時間以上あけて、食後。
透析日は透析後。
トラマドール(トラマール®)
腎障害患者では半減期とAUCが健康成人の1.5~2倍に増加するため、最大量を50%(=200㎎)にする。
トラマドール徐放錠(ワントラム®)
禁忌(徐放剤で服用間隔を調整できないため)
❏抗アレルギー薬(花粉症など)
内服薬について、前回かゆみの項目でも一部挙げたが、用量や用法が通常と異なるものがある。注意するべきが
セチリジン・レボセチリジン(ジルテック®・ザイザル®)
禁忌(高い血中濃度が持続する可能性がある)
❏糖尿病治療薬
基礎疾患に糖尿病があると注射剤を使っている患者さんも多い。
しかしたまに、内服薬が新規で処方されることがある。
ここでは禁忌のものだけ挙げておく。
アマリール®、オイグルコン®などSU剤全般(低血糖のリスク)
メトグルコ®などビグアナイド系(乳酸アシドーシスを起こしやすい)
アクトス®(海外では常用量で使用可能)
ナテグリニド(スターシス®/ファスティック®)(低血糖のリスク)
◆プラスアルファ
・透析日・非透析日で変わる用法
透析をする日としない日とで状態が異なる。
非透析日のみ服用するという指示がある場合がある。
例えば、利尿剤や血圧の薬(とっても個人差があります)。
一包化している患者さんにはどうしたらいいか確認する。
非透析日の指示があるものだけヒートで渡したり。
分包紙に日付を印字し、それに合わせて一包化したり。
(例えば月・水・金透析で非透析日のみ利尿剤追加、水曜日お薬2週間分お渡し予定なら次の日の木曜から服用するとして、1・3・4・6・8・10・11・13番目に利尿剤を入れる。わかりやすいようにマーカーを引く。)
日付は印字せずに、透析日と非透析日で分けて作ったり。
(例えば2週間分お渡しなら、透析日は6日分、非透析日は8日分まとめて作る)
・入院
透析に通っているということは、基本は自宅で生活ができるくらいには状態が安定しているということ。そして何らかの基礎疾患によって腎機能が低下しているので、基礎疾患の状態がよくなければそちらの主治医のもとに入院してしばらく透析病院に来ないことがある。
・シャント肢
シャント肢とは?
腎臓の働き~透析療法とは? | 透析について考える | ~笑顔でいきいき~ 透析"新"ライフ から引用
年単位にわたって週に3回、腕の血管に針を刺して血液を抜く。結構太い針。
だからこの血管は重要。
ということで、それに耐えられる太い血管を作る。動脈と静脈を合わせる。これをシャントという。
貼付剤が「シャント肢に貼付」という指示で処方されることがある。
痛みがでたり腫れてしまうそうだ。
・皮膚の色
理由ははっきりわかっていないようだが、肌が黒くなりやすい。
透析では除ききれないなにかがあるのか・・・
1回あたりの透析に時間をかけると黒くなりにくいというのをきいたことがあるような。
知っておくと、失礼がないかもしれない。
・管理能力
高齢の方も多く、管理に不安がある患者さんも多い。
また透析のあとは結構ふらふらで、あんまり話を聞ける状態ではないことも。
ご家族に直接説明できたらいいだろうけど、難しいから変更点や注意点はお薬説明書に記載したりわかりやすく印をつけて、伝わるようにする。
以上です。
薬の用量については
腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK 第2版 秋澤 忠男、平田 純生 じほう 2018-06-27 売り上げランキング : 3430
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こちらがおすすめ!(実際使っているのは古い版だけれど。新しいの出てる!)
検査値がわからないのでそこに関してはあんまり深入りできないけれど。
なるべく薬が最適に使えるよう関与できることを模索したい。
*かかりつけの医師・薬剤師の指導を尊重してください
【薬局の疑問】腎不全患者さんの人工透析(特に血液透析)ってなにをするの?
透析クリニックと同一建物にある薬局として、学んできたこと。
初めてそういう薬局に配属されたときに、少し助けになれればなと。
◆腎臓のはたらき
腎臓の働きまとめ。
— ゴロ−@解剖生理イラスト (@rockybabyto) December 7, 2013
からの、
腎不全になった場合、どういった症状が出てしまうか。 pic.twitter.com/TKhpFAjOlW
わかりやす!
❏水分量・イオンのバランスを調整する
❏老廃物を尿として排泄する
❏血圧を調節する
❏ビタミンDを活性化する
❏造血ホルモンを産生する
腎不全になるとこれらの働きが失われるので、透析や薬を使って働きを補う。
◆透析導入理由
日本透析医学会 我が国の慢性透析療法の現状 p.17 より引用
割合として糖尿病性が多く、40%以上。
◆血液透析とは
こちらがイメージしやすくわかりやすいと思う。
血液透析(HD)について|透析について詳しく知る|扶桑薬品工業株式会社
腕に針を刺して血液を抜く
→ダイアライザに通して透析膜を隔てて透析液と触れさせる
→拡散と限外濾過を利用して、物質や水分の除去をする
❏できること:物理変化
・老廃物の除去
・水分の除去
・イオンのバランスの正常化
❏できないこと:化学変化
・血圧を調整する
・ビタミンDの活性化
・造血ホルモンの産生
◆透析患者さんの薬(定期処方編)
❏血圧:上がりやすい⇒下げる治療
血液透析時には血液を抜くので血圧が下がりやすく昇圧剤を使うこともある。
透析終了後の患者さんはフラフラのこともある。
血液透析する日としない日とで血圧の薬の服用量を変えることもある。
❏リン:上がりやすい⇒下げる治療
リンが排泄できなくて体内上昇→血中カルシウム低下→補おうと骨からカルシウム分解して血中濃度上げる=リンもカルシウムも血中濃度高い
⇒結合してリン酸カルシウムが沈着(異所性石灰化)し、さまざまな病変を引き起こす。
消化管からのリンの吸収を抑えるのが共通の作用。
用法に特色がある。副作用に特色がある。一包化の適・不適に違いがある。
食前・食後にこだわるよりも(知っていることは重要だけれど)患者さんの服用しやすさも考慮する。
・クエン酸第二鉄水和物(リオナ®錠)
食直後服用。一包化〇。
主な副作用は胃腸障害。下痢10.1%、便秘3.2%、腹部不快感2.5%。
透析患者さんは水分制限により便秘傾向なので、下痢の副作用をうまく活用できる場合もある。
構造が鉄なので、一般的な鉄剤同様便が黒くなる。鉄は一部吸収されるが、経口での鉄摂取は過剰になりにくい。
リオナ®錠添付文書参照
・スクロオキシ水酸化鉄(ピートル®チュアブル)
食直前服用。一包化×(やわらかい)
副作用は胃腸障害。下痢22.7%、便秘。
リオナ®同様、便秘傾向の患者さんには使いやすい。
構造はリオナ®よりもっと立体的にかさ高い鉄なのでほとんど体内に吸収されない。便は黒くなる。
錠剤が大きいのでかみ砕く必要があるが、ビスケット程度の柔らかさで噛む回数に決まりはない。味はなんとも言えないが、そのふにゃふにゃ感が気になる人もいる。
ピートル®チュアブル添付文書参照
・沈降炭酸カルシウム(カルタン®錠)
食直後服用。一包化〇
主な副作用は代謝異常、消化器症状。アルカローシス等の電解質失調(5%以上または頻度不明)、便秘・下痢(5%以上または頻度不明)、長期大量で腎結石・尿路結石(5%以上または頻度不明)
カルタン®錠添付文書参照
・セベラマー塩酸塩(フォスブロック®錠、レナジェル®錠)
食直前服用。一包化〇
主な副作用は便秘・便秘増悪38.2%、腹痛16.9%、腹部膨満感14.6%。
重大な副作用は腸管穿孔0.1%、腸閉塞0.2%。
口中に長く留めていると膨潤するため、咀嚼せず速やかに嚥下させること。
レナジェル®錠添付文書参照
・炭酸ランタン(ホスレノール®OD錠、ホスレノール®顆粒分包、ホスレノール®チュアブル)
食直後服用。チュアブル・顆粒は湿気により品質に影響する。一包化や再分包はしない。
主な副作用は消化器症状。悪心・嘔吐・便秘5%以上。
重大な副作用は腸管穿孔、イレウス(頻度不明)。
ランタンは骨に蓄積するとの報告がある。
チュアブルは十分にかみ砕いてから飲み込む(20~30回咀嚼する)。
チュアブルや顆粒は服用しにくいので、あとから出たOD錠に切り替えている人が多いと思われる。
ホスレノール®チュアブル・顆粒分包・OD錠添付文書参照
❏カリウム:上がりやすい⇒下げる治療
カリウムが高いと、最悪の場合心臓が止まる。
成分はポリスチレン~のみ。腸管でイオン交換する。剤形がいろいろある。重大な副作用は腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍(頻度不明)
主な副作用は便秘5%以上。
・ポリスチレンスルホン酸カルシウム(カリメート®経口液、カリメート®DS92.5%、カリメート®散、アーガメイト®ゼリーなど)
食前・食後の指定なし。
カリメート®経口液は1包25なのでまあまあ重たい。ノンフレーバーとオレンジフレーバーがある。
アーガメイト®ゼリー20%は1個25gなのでまあまあ重たい。あと開けにくい。りんごフレーバーが別にあり、服用しにくい場合は好みでかけることができる。
カリメート経口液、アーガメイト®ゼリー添付文書参照
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート®散、ケイキサレート®DS76%)
DS2包で散1包に相当する。
ケイキサレート®DS添付文書参照
❏カルシウム
リンの項目で書いたように、①血中リン濃度上昇によりカルシウム濃度が低下している人と、②それを補うために副甲状腺機能が亢進してPTH(パラっととれるパラトルモン)上昇、カルシウム濃度が上昇している人がいると思われる。
①に対して
・L-アスパラギン酸カルシウム(アスパラーCA®錠)
②に対して
・シナカルセト(レグパラ®錠)
効能または効果:維持透析下の二次性副甲状腺亢進症 開始用量としては、成人には1日1回25㎎を経口投与する。以降はPTH及び血中カルシウム濃度の十分な観察のもと、1日1回25mg~75㎎の間で適宜用量を調整し、経口投与する。上限100㎎。増量を行う場合は増量幅を25㎎とし、3週間以上の間隔をあけて行うこと。
つまり少量から増量していく。
主な副作用は消化器症状で、悪心・嘔吐25.1%、胃不快感17.1%、食欲不振、腹部膨満。低カルシウム血症は14.7%。
レグパラ錠 添付文書参照
消化器症状の副作用のために増量できないケースもある。そこを改善した薬が最近新しく発売された。
・エボカルセト(オルケディア®錠)
レグパラ®の進化版。悪心・嘔吐の副作用が少ないので目標量まで増量しやすい。最大12mgまで増量可。
主な副作用は低カルシウム血症16.8%、悪心4.7%、嘔吐4.1%、腹部不快感3.7%。
オルケディア®錠IF
❏活性型ビタミンD:下がりやすい⇒上げる治療
ビタミンDの1α位をーOH化して活性型にすることができないので、もともと水酸化されているビタミンDを服用する。
・アルファカルシドール(1αーOH-D3、アルファロール®カプセル、ワンアルファ®錠)
肝臓で25位が活性化される。
・カルシトリオール(1αー25(OH)2D3、ロカルトロール®カプセル)
❏尿酸:上がりやすい⇒下げる治療
尿酸も尿から排泄されるので、高くなりやすい。排泄促進薬はもちろん使わない。
❏便秘
水分制限や食事制限などの要因から便秘に悩む患者さんは多い。
あまり使わない薬は
・カルメロース(バルコーゼ®):用法に、「大量(コップ1杯以上)の水とともに経口投与すること」とあり、水分制限をしている透析患者さんに適さない。
・酸化マグネシウム:血中マグネシウムが高くなってしまうため長期使用は避けて血中濃度に注意する。
酸化マグネシウムが使えないので、浸透圧性下剤として糖類下剤が使われることがある(大きな声では言えないけど)(適応外)。
・D-ソルビトール、ラクツロース
糖として吸収はされないので、糖尿病患者さんでも血糖値に影響しない。
❏かゆみ
原因はさまざまな要因が絡んでいると思われる。
除去しきれない尿毒素、汗腺の萎縮、アレルギー反応。など。
乾燥が原因なら外用剤で保湿剤を用いる。
あとはレスタミン®など。
内服では抗アレルギー薬を用いるが、一部腎機能正常患者とは用量が異なるものがあるので注意する。
・オロパタジン(アレロック®錠)
用法用量:2.5mg分1~2
・セチリジン、レボセチリジン(ジルテック®錠、ザイザル®錠)
禁忌
・フェキソフェナジン錠(アレグラ®錠)
用法用量:1回30㎎1日2回
・ベポタスチン(タリオン®錠)
用法用量:腎機能正常患者の1/2~1/4量に減量
そして、適応が『透析患者、慢性肝疾患患者の掻痒症改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)』だけの薬がこちら。
・ナルフラフィン(レミッチ®カプセル、OD錠)
カッパー受容体を活性化し、かゆみを抑制する。
用法:1日1回2.5μgを夕食後または就寝前に経口投与。上限5μg。
主な副作用は、不眠15.8%、便秘4.8%、眠気3.1%
カプセルは一包化不適だったが、OD錠は光や湿気への安定性が向上し、一包化可能
ジェネリックが最近発売になったが、カプセル・ODにかかわらず一包化は不適なので注意。
❏利尿剤
腎不全でも完全な無尿とは限らない。
排尿があるうちは利尿剤を使って排尿を促進する。
K保持は慎重投与。
❏むずむず足
訴える患者さんが多い。
クロナゼパム(リボトリール)、プラミペキソール(ビ・シフロール®錠、ミラペックス®LA錠)あたりが処方されているのを見たことがある。
なんとなく書き始めたけど、思ったより大変だったので、いったんここで切ろう。
【薬局の疑問】初めての在宅医療の始め方
恥ずかしながら、未だ在宅医療への介入を経験したことがなかった。
今の配属店舗でも実績はない。学生時代の薬局実習でも経験しなかった。
時代の方向性的に在宅医療を経験していないのはマズイかなとは思っていた。
そんな折。
在宅医療介入案件が飛び込んできた。
持ち込んでくれたのは、大学病院の病棟薬剤師さん。
退院後に当薬局が訪問介入できるか・できないかを確認してくれた。
実績がないから申請やらしないとできないだろうけど、必要があるならやるしかないだろう。
在宅医療に関する知識は、いつかの研修で習った
・通院困難が絶対条件
・使う保険で(手続き的な意味で)作業が異なる。介護保険が使えればそちら優先
・ケアマネさんとの連携がキーとなる
くらいだった。
患者さんのご家族や退院後の担当医師、病棟薬剤師さんと連絡をとることでケアマネさんとも連絡をとることができて。
最初は立ち消えそうなふわっとした提案だったけど、なんとか実行できそうなところまでまとまった。
リスクがあるから介入するわけで、その責任が少し怖くもある。
関わるひとが多いと想定しきれないことも多くて漠然とした不安もある。
しかし、患者さんが訪問に同意してくれた理由がうれしかったので。
やりましょう。
◆参考になった図書
『在宅訪問薬剤管理指導料をはじめる時(第3版)』
『在宅医療Q&A 平成29年版』
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