【薬局の疑問】コレステロールをばいーんでぃんぐ
患者さんからお薬の相談がありました。
「コレバイン錠とエパデールの服用を始めてから、便秘がひどい。ただの便秘ならまだしも、便の性質がおかしいというか...緑がかっていて、白い物も付着している」
なるほど。突然そんなことが起きたら気持ち悪いと思ってしまいますね。
コレバイン錠の添付文書を読んでやっと思い出しました。
「お湯で服用すると膨張するので、冷水で服用」
あーーーーー!習った!習いましたこれ!
コレバイン錠とは、脂質異常症治療薬です。
体内に吸収されずに腸管で作用します。胆汁酸を吸着する陰イオントランスポーターです。胆汁酸はコレステロールからできているので、胆汁酸が減ると身体が新しく作ろうと原料のコレステロールを血液中から回収してきます。これにより血液中のコレステロールが下がります。
副作用として多い便秘ですが、コレバイン錠が大腸で水分を吸収してしまうため起こりやすいです。
そして患者さんが話してくれた「白い物」ですが、食物中の脂肪も吸着するので、それが便に混じり脂肪便として出るそうです。
また、錠剤そのものが出ることで白い物が混じります。メーカーさんに聞きました。
緑色については報告を受けたことがないと言われてしまいましたが、
調べた感じだと、胆汁酸が便に混じると緑色になることがあるようです。
ビリルビンが、胆汁酸という酸性に反応するから?ですかね。
薬の性質としてよくあることなのかもしれません。
前もってきちんと説明できていれば、患者さんは不安にならずに服用できていたかもしれません。反省。
対応としては減薬や下剤の追加が考えられますが、ドクターに委ねます。
プラスで特徴的なのは、
・食前服用が基本(ただし食後でも効果は変わらない様子)
・多めの冷水で流し込む
・他の薬も吸着してしまうので、間隔をあけるなどする
勉強の記録でした。
◆参照
コレバイン錠500mg 添付文書