【医薬品勉強会忘備録】ベピオ®ゲル2.5%
【背景1:尋常性ざ瘡(ニキビ)について】
何らかの要因でアクネ菌が増殖し炎症を起こしている皮膚疾患。
・面皰(めんぽう)=白ニキビ
皮脂分泌が増加し毛穴にアクネ菌が増えやすい状態。
・紅色丘疹=赤ニキビ
アクネ菌が炎症物質をつくり、皮膚に炎症が起きている状態。
・膿疱=黄ニキビ
炎症が進んで膿がたまっている状態。
⇒炎症の原因であるアクネ菌を抑えることが、治療の手段の一つになる。
【背景2:外用抗菌薬の耐性菌問題】
外用性抗菌薬には
・クリンダマイシン(先発:ダラシン®)
・ナジフロキサシン(先発:アクアチム®)
・オゼノキサシン(先発:ゼビアックス®)
があり、治療ガイドライン2017においても”有効性について良好な結果が得られている"とされている。
一方で耐性菌が問題となっており、メーカーさんによると約半数の患者さんでは効果がきちんと得られない可能性があるとのこと。
⇒耐性菌を作らない薬剤の必要性
【ベピオ®ゲル 基本情報】
◆組成
過酸化ベンゾイル25mg(1g中)
◆効能・効果
尋常性ざ瘡
◆用法・用量
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
◆アピールポイント
・耐性菌の報告がない
・抗菌効果と角層剥離作用をもつこと
【ベピオ®ゲル 注意と副作用】
◆使用上の注意
・塗布部位を日光に当てない(フリーラジカル生成)
そのため、朝の洗顔後には使用しないこと。
夜の洗顔後に使用する。朝も使用したい場合は、外用抗菌薬を併用することを検討する。
・12歳未満の小児について
使用を制限する報告なし(今のところ問題なし)
・漂白作用がある
そのため、衣服や髪に薬剤が付着しないよう注意すること。
塗布後は手を洗うこと。
・長期使用について
臨床試験が行われており、炎症性・非炎症性ともに52週後まで皮疹数減少を維持した。
・適量とは
1回1FTUで顔全体(眼囲、口唇を除く)
◆副作用
・直ちに中止するべき副作用
全身性の過敏反応、重度皮膚刺激症状
・様子を見るべき副作用
皮膚剥脱、紅斑、刺激感、腫脹など
特に使用し始め1か月はこれらの副作用が起こりやすい。また乾燥しやすいので保湿を丁寧に行うこと。
参考
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf
ベピオサイト 製品関連情報:臨床成績 / 医療関係者向け情報 | マルホ株式会社