【薬局の疑問】クラバモックスとろとろくりーみぃ。
クラバモックスを在庫していなかったので、急いで取り寄せ。
その間に何の疾患で出ているのか議論。
中身がアモキシシリン(ペニシリン系抗菌薬)とクラブラン酸(βラクタマーゼ阻害剤)。アモキシシリン単剤ではなくわざわざβラクタマーゼ阻害剤が入っているものを使うということは、グラム陰性菌や嫌気性菌に効かせたいんですかね?
患者様に聞いた答えは中耳炎でした。
小児用であるクラバモックスは、アモキシシリン:クラブラン酸=14:1の比。
肺炎球菌やインフルエンザ菌が相手ならクラブラン酸はこんなに少なくていいみたい。
対してきちんと嫌気性菌に効かせる心意気のあるオーグメンチンは2:1でクラブラン酸多めです。この比がいちばん抗菌力高い。
口腔内常在菌は嫌気性菌が多いので、オーグメンチンは動物咬傷・誤嚥性肺炎に使うこともある。たしかに。犬に噛まれたって患者様に投薬したことあるぞ。
肺炎球菌やインフルエンザ菌が起因菌として多いのは、市中肺炎、中耳炎、副鼻腔炎。
今回の中耳炎について。急性中耳炎ガイドラインより。
急性中耳炎の定義は、中耳の感染症で耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある。診断に鼓膜の観察は不可欠。
こどもの耳管は大人のそれと比べて太くて長くて水平なので、鼻の菌が耳に入りやすい。風邪や副鼻腔炎から中耳炎に移行しやすい。
だからこどもが風邪をひいたら、耳まで見れる耳鼻咽喉科に行くのがおすすめだって。
中耳炎でも軽症なら3日は抗菌薬を投与せずに自然寛解を待つ。
経口抗菌薬で治療する場合は以下を使用する。
・アモキシシリン(パセトシン®)
・アモキシシリン/クラブラン酸(クラバモックス®)
・セフジトレンピボキシル(メイアクト®)
・トスフロキサシン(オゼックス®)
抗菌薬の迷宮にはまりそうなので、そろそろさようなら。
日々の発見のおぼえがき。